身分差婚

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突然印鑑が必要になった。
直前に県をまたいでの引っ越しを行った為住所の変更があり、前の印鑑登録が無効になっているというのも相成って、新たに印鑑登録をする必要が出ていた。
で、それと印鑑が必要になるのと何が関係あるかと言うと、せっかくなので新しい印鑑が欲しいと思ってしまったからなのである。

最初の印鑑は象牙などの高級品をかう余裕なんてなくて、無難な黒水牛の印鑑を買った。
数年月日が経過し、今なら多少の余裕がある。今新しく購入するんなら多少値が張ってもよいので高級なものを買いたい。
ちょうどお金をかけるものもしばらく購入していなかった事だし、せっかくならこだわろうと思い近隣のはんこ屋はもちろんインターネットでも様々なサイトを見て
「運命の出会い」
を探し続けていた。しかし、見つからない。
確かに良いものはたくさんある。
予算も十分ある。注文しようかという所まで来たものもあった。でも、決まらない。
予算も見た目も耐久性すらも申し分ない。
それなのになぜか心にこない。
そんな出会いに恵まれない日が続いた。

そして数ヶ月後、私の手のひらの中には一本の印鑑があった。
絶妙な色の混ざりあいが美しい印鑑。
私の手には赤パール製の印鑑があった。
多少印鑑の種類について知っている人なら
「黒水牛から何で赤パールに?」
という人がほとんどだろう。
耐久性も劣るし高級・・・ともいいがたい。

でも、通りすがりになんとなく入ったはんこ屋さんにいたその一本の赤パールの印鑑に何故か惹かれてならなかった。
安物だけど、これだと思った。
運命の出会いといわずして何を運命の出会いと言うのであろうか。
胸をはって言える。今現在私の実印は赤パールの印鑑だ。



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